日本家屋の醍醐味

2010年8月6日 (金)   ≪ トップページへ ≫

スゴイですね、この暑さ。
天変地異とでもいうのでしょうか、挙句化粧崩れの自分は
人様に、このところやたらお会い出来ません。
鶴の恩返しではありませんが、このところ、ひっそり隠れ住み、
これまで自分が手がけさせて頂いたお客様方のお役に立つ
何をか出来ないものか、奇策を練っております。

この度、BeforeAfterではありませんが、確認手続き無しの
大改造の仕事をさせて頂きました。
日が当らず、陽の光を見る事無く、ウン10年暮らして来た街
中のお宅、しかも構造的にも壊してみなければ解らないかな
り痛みの激しいお宅でした。
この齢で、住んで住めないお家ではない、荷物が多いし、でも
広すぎるのよね、寒いし、暗いし、段差が激しいし、水回りの
使い勝手がシンドイ等など何年このかた迷い迷われたか。
私もご相談受けた手前、粘りに粘った。2年も掛けて。
そして完成しました。
お客さまが言われた言葉、’人生この齢でやっぱり家を直そう
と決断、実行した自分達にご褒美をあげたいと。’

それだけ、家をどうこうしようとするのは兎に角怖く、億劫で、
決断し難いものなのですよね。
でも昔の家は良い点たくさんあります。
何といっても天井が高い、廊下、広縁、台所等今時には無い
無駄なスペース、空間があるという事。
今回の仕事はしっかりしたお客さまのご意向もさることながら、
建築業者さん達の有難い誠意とご厚意によるところ大であっ
た事です。
このようなお仕事は設計事務所が入っていなければ絶対成し
得るもので無いと思いました。
客の立場、意向を現場に生かし、形にするには設計監理とい
う専門の立場の人間がいて出来るもの。
空間イメージ、デザイン、仕様等諸条件を何とかクリアさせつ
つ、施主、業者、設計3者が知恵と勇気を出し合い、より良い
打開策を見出しつつ最終を目指すのです。
本当に辛く苦しい時もありましたが良い仕事をさせて頂き
ました。
この経験を、今ではそれなりに経年劣化された自分の手がけ
させて頂いたお家のお施主さま方、巡り合う機会があればお
声掛けしたい。
若気の至りで随分頑張ったつもりでも要らぬお節介だったとこ
ろも多々あったであろう自分の作品群。
特に古いお家にお住まいの方々、耐震も兼ねて身の丈に合っ
たBeforeAfterしてみませんか。

設計監理の大切さ、建築家としてせねばならない職責、お節介
かもしれないが、黙っていてはいけないそんな思いが今ズッシリ
感じているところです。

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